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11/15 <産業の空洞化とは呼びたくない>

本日も予約投稿となります。 コメント返信が遅れており申し訳ありません。

さて、今日はちょっと仕事の話で恐縮んがら、感慨深いシーンを目にしたので、記事にすることに。

日本の繊維産業が衰退してから久しいですが、一時期は「世界の工場」と言われた中国での生産
(紡績・加工・縫製)が大々的に行われていたものの、お金に貪欲な中国人は、会社に対する
忠誠心が薄く、少しでも「楽で多く稼げる」職場がみつかると、すぐに(退職届も出さずに)居なく
なってしまうそうです。(特に季節ボーナスとかもらった直後とかに従業員が半減したりするらしい)

なので、労働力の確保に時間と金が掛かることから、安かったはずの労働力もうなぎ上りとなって
しまい、今や繊維業界にとっては、決して「労働力の安い市場」ではなくなってしまったそうです。

そこで、数年前から「ポスト中国」ということで、ベトナムに生産がシフトしているそうですが、
ベトナムだけでは莫大な中国の生産力をカバーするには不十分であり、最近またインドネシアに
目が向いてきています。

中国が世界の工場になる前、20年以上前から、インドネシアは海外生産の初期段階で日本が
出て行った場所なんですが、一時期は中国に比べると労働力が高い(日本から離れているので、
運賃も高い)状態になり、多くの企業が撤退したという過去があります。

しかし、中国の工賃が、それこそ2倍近くになってしまったことから、またインドネシアへの
回帰現象
が起こっているというわけです。

以前の中国は工賃が50くらいだったものが、今や100、それに比べてベトナムは60くらい、
インドネシアは80くらいだそうです。

さて、ここからが本題なんですが、先週金曜日、日本から来た出張者の内、お一人は、繊維業界
40年というベテランで、中国やベトナムで技術指導を重ねてきた技術者です。

当社は現在、インドネシア(バンドン)にある縫製工場に、スラックスの縫製を委託しており、
そのスラックスは、「●オン」向けの「トッ●バ●ュー」ブランドとして、店頭に1980円くらいで
並んでいる代物です。

工場からの引き取り価格は精々1本400-500円です。
内、工賃だけを抜き出すと、たったの100円です(^_^;)

自動車を作る工程に比べれば工程数は少ないものの、ズボン1本作るんでも、随分と色々な工程が
あるんだなと改めて工場視察して感じました。

生地のチェックから始まって、裁断、縫製、ファスナー着け、ポケット着け、アイロンがけ、
品質チェック等、30-40もの工程を経て、やっと最終製品となります。
はねられる(作り直し)も少なくないので、よく1本100円のコストでやってるなって感じです。
それだけ、工員さんの給料が安い(月1万円くらい)ってことなんですけどね。

「●ップ●リュー」ブランドを買うお客さんは、ブランド力のあるスラックスを買うお客さんほど
には品質にうるさくないだろうと考えるのが自然ではあるのですが、やはり「安かろう悪かろう」
と思われるのは、技術者としてのプライドが許せません。

工場の生産部長や、その他ラインの長など合計6-7人引き連れて、各工程を回って視察したんですが、
ベテランの日本人技術者さんは、ひとつひとつの工程と、その中間製品を目を皿のようにしてチェック
し、問題点と、どう改善すべきか一つ一つ指摘していきます。

ライン長の皆さんも、指摘された点を皆ノートに書き出し、真剣な眼差しで技術者の要求を書き留めて
行きます。

「さすが、日本の技術は細かいなぁ」と感心したのは、ズボンのファスナーって、下から上にかけて
真っ直ぐに縫い付けられてると思うじゃないですか。
ところが、一番上の部分(上から2センチくらい)の部分は3mmほど外側に縫い付けるのが理想的
らしいんです。

なぜなら、真っ直ぐだと、一番上まで上げてホックを締めると、ファスナーヘッドがちょっと立って
しまう形になり、履き心地が少し悪くなると。
今までそんなこと意識したことありませんでした(^_^;)

でも、確かに安い製品って、基本的な問題はなくとも、細部が少し雑だったりしますよね。
改めて日本製品を身に着けると、やはり日本品は細かいところの仕上げに拘ってるな、みたいな。

まさにその神髄なんですよね。 「3mmほど傾けて縫う」っていうノウハウ。

でもって、そのオジサン、自分でミシン踏んで、自分で縫い付けの見本を縫っちゃったりするんです
よね(^_^;)  さすが、技術指導者。 裁縫道具も自前のものを持参されてました。

その方、聞くところによると、ご結婚された時に、お嫁さんのウエディングドレスを自分で型紙から
作って、生地も自分で選んで、自分で縫い上げたそうです((◎_◎))

そのオジサン、生粋の技術者って幹事なんですが、業界が業界だけに、ちょっと「オネエ言葉」っぽい
感じで面白かったですけど(^_^;)

そういう技術が、今インドネシアで活かされようとしてるんですねぇ。。。。

確かに、昔の日本は繊維産業が盛んだった時代もあります。
現在は残念ながら国内は衰退産業です。

産業の空洞化」なんて言葉が、子供達の教科書には乗ってますし、教科書通りに子供達は覚えて
来ますが、確かに日本で生産・加工するには工賃が高くなり過ぎている(円高ももちろん最大の
原因のひとつ)ので、必然的に国外で生産するしかない、ものづくりに拘る日本の技術者の細かい
技術指導を受けながら国外で生産して輸入するからこそ、日本の消費者は十分な品質の製品を
安く買うことができる。

競争力のある海外製品のせいで、会社が傾いてしまった人には申し訳ありませんが、産業の空洞化と
嘆く前に、日本の技術が世界中に輸出され、その結果、良いものが安価で手に入る。
そして、発展途上国の雇用に貢献し、途上国の経済発展に寄与し、世界経済に貢献する。

そういうやりかたも、是とできるんじゃないかなぁ。。。。。

●本日の走行距離: 出張中にてゼロでございます。。。orz

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プロフィール

Muirwoods

Author:Muirwoods
2010年1月、45歳にして、短距離通勤用として購入したクロスバイク(MARIN Muirwoods、26インチMTB仕様)がいつのまに生活の中心的存在となり、Muirwoods号で300キロ超のロングライドに挑戦し、2010年末46歳でロードバイクデビューしました。

ロードバイク1台目は「Cervelo RS」。
11年7月にジャカルタに赴任、CAAD10を新規購入して持ち込みましたが、事故で大怪我をしてしまい、現在自転車活動は休止中です。

本年10/10を以って50歳になりした。
50代の10年も、頑張ります!!

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